【ご相談内容】個人再生について官報掲載箇所・事項・形式及び頻度

個人再生をすると官報に掲載される、と言われてますが、官報のどこに個人再生のどの部分が、どのように掲載されるのですか?

また、掲載されるのは1回だけでしょうか?

【ご回答】~弁護士(新潟市・新潟県)から~

官報とは?官報の種類(構成)

官報とは、国の広報誌です。

官報の種類(構成)は、

「本紙」

「号外」

「特別号外」

「政府調達」

からなります。

ちなみに、「政府調達」は、

・入札公告

・入札公告
  
・入札公示

・調達予定

・招請※

※[招請]とは、

「次の通り物品の導入を予定していますので、当該導入に関して資料等の提供を招請します。」

といった調達の呼びかけをすることです。

・随意契約

・落札

からなる、まさに

「政府」(国や独立行政法人等)の「調達」

に関するお知らせや呼びかけ報告等になります。

個人再生とは全く関係がありません。

個人再生で関係があるのは、「本文」と「号外」です。

官報「本文」

官報「本文」は、

〔告示〕

〔国会事項〕

〔人事異動〕

〔皇室事項〕

〔官庁報告〕

〔公告〕

等からなり、

〔公告〕

裁判所

 の中に、

【相続、公示催告、失踪、破産免責、特別清算、「再生関係」】

が入っています。

官報「号外」

官報「号外」は、

新元号 令和に決まる!

などの「号外」とはちょっと異なります。

要は、本紙に収まりきらなかったものを載せるというものです。

個人再生の関係では、なぜか、「開始決定」は本紙なのに、

後述するように小規模個人再生の「認可決定」は号外にのります。

官報に掲載される個人再生関係の情報

(1)開始決定

 例:

 「小規模個人再生による再生手続開始」

  平成29年(再イ)第●号

  大阪府●●市●●町●丁目●番●号

  再生債務者  ●●  ●●

  1 決定年月日時 平成29年3月25日午後1時

  2 主文 再生債務者について小規模個人再生による再生手続を開始する。

  3 再生債権の届出期間 平成29年4月22日まで

  4 一般異議申述期間 平成29年5月7日から平成31年5月20日まで

   
       大阪地方裁判所●●支部個人再生係

 例:

 「給与所得者等再生による再生手続開始」

  平成29年(再ロ)第●号

  仙台市●●区●● ●丁目●番●号 ●● ●号

  再生債務者  ●●  ●

  1 決定年月日時 平成29年3月27日午後5時

  2 主文 再生債務者について給与所得者等再生による再生手続を開始する。

  3 再生債権の届出期間 平成29年4月22日まで

  4 一般異議申述期間 平成29年5月7日から平成31年5月20日まで

   
       仙台地方裁判所第●民事部

(2)書面決議、意見聴取

 例:

 「小規模個人再生による書面決議に付する決定」

  平成29年(再イ)第●●●号

  東京都●●市●●町●丁目●番●号

  再生債務者  ●●  ●●

  1 決議に付する再生計画案 平成29年3月12日付け再生計画案

  2 再生計画案に対する回答期限 平成29年4月12日まで

  平成29年3月26日

   
             東京地方裁判所民事第●●部


 例:

 「給与所得者等再生による再生計画案についての意見聴取」

  平成29年(再ロ)第●号

  埼玉県●●市●● ●丁目●番●号

  再生債務者  ●●  ●●

  1 意見聴取に付する再生計画案 平成29年3月5日付け再生計画案

  2 書面で意見を述べることができる事項 民事再生法241条2項各号に定める事由

  3 2の書面の提出期間 平成29年5月7日まで



  平成29年3月27日

   
             さいたま地方裁判所●●支部

(3)特別異議申述期間

 例:

 「小規模個人再生による再生債権の特別異議申述期間」

  平成29年(再イ)第●●●号

  静岡県●●市●●区●●町●番地の●

  再生債務者  ●●  ●●

  特別異議申述期間 平成29年4月16日から平成29年4月23日まで

  平成29年3月26日

   
             静岡地方裁判●●支部再生係

(4)手続廃止

 例:

 「小規模個人再生による再生手続廃止」

  平成29年(再イ)第●●●号

  大阪府●●市●●町●丁目●番●号

  再生債務者  ●●  ●●(旧姓●)

  1 主文 本件再生手続を廃止する。

  2 理由の要旨 本件再生手続には、民事再生法191条2号に定める事由がある。

  平成29年3月27日

   
             大阪地方裁判所第●民事部


 例:

 「給与所得者等再生による再生手続廃止」

  平成28年(再ロ)第●●●号

  東京都●●区●● ●‐●‐●
  (開始決定時の住所)東京都●●区●● ●‐●‐●

  再生債務者  ●●  ●●

  1 主文 本件再生手続を廃止する。

  2 理由の要旨 本件再生手続には、民事再生法243条2号に定める事由がある。

  平成29年3月26日

   
             東京地方裁判所民事第●部

(5)認可(不認可)

例:

 「小規模個人再生による再生計画認可」

  平成29年(再イ)第●号

  宮城県●●市●●町●●番地●●

  再生債務者  ●●  ●●

  1 主文 本件再生計画を認可する。

  2 理由の要旨 平成29年3月22日までに書面による決議により可決があったものとみなされた再生計画には、民事再生法に定める不認可の決定をすべき事由はない。

  平成29年3月25日

   
             仙台地方裁判所●●●支部


例:

 「給与所得者等再生による再生計画認可」

  平成29年(再ロ)第●●号

  東京都●●市●●町●●番地●●

  再生債務者  ●●  ●●

  1 主文 本件再生計画を認可する。

  2 理由の要旨 平成29年3月27日までの意見聴取期間が経過した再生計画には、民事再生法に定める不認可の決定をすべき事由はない。

  平成29年4月1日

   
             東京地方裁判所●●支部民事第●部

例:

「小規模個人再生による再生計画不認可」

  平成29年(再イ)第●号

  神戸市●●区●●町●●番地●●の●

  再生債務者  ●●  ●●

  1 主文 本件再生計画を認可しない。

  2 理由の要旨 平成29年11月26日までに書面による決議により可決があったものとみなされた再生計画には、民事再生法に定める231条2項1号に定める事由がある。

  平成29年3月26日

   
             神戸地方裁判所第●民事部個人再生係

 (6)取消

例:

 「小規模個人再生による再生計画取消」

  平成22年(再イ)第●号

  仙台市●●区●● ●‐●●‐●●

  再生債務者  ●●  ●

  1 主文 本件再生計画を取り消す。

  2 理由の要旨 平成23年●月●日に認可した再生計画には、民事再生法237条1項に定める事由がある。

  平成29年3月25日

   
      仙台地方裁判所第●民事部

以上、基本的には、本文に掲載されているのですが、「小規模個人再生による再生計画認可」については、号外に載っています。

また、回数は、各項目について1回であり、同じ事項を複数回掲載することはありません。

~いかがでしたでしょうか。以上、弁護士(新潟市・新潟県)から、個人再生について、官報掲載箇所、官報掲載事項、官報掲載形式、官報掲載頻度について、ご説明いたしました~

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