【ご相談内容】弁護士から言われた個人再生できない場合とは?

新潟県西蒲原郡弥彦村で、以前は運転手をしていましたが、今は警備の仕事をしております。

妻は燕市で事務の仕事を正社員として行っております。

子供は2人おりまして、一人は、高校受験、もう一人は、大学受験です。

いずれも、国公立を目指しておりますが、こればかりは、私立に入るかもしれません。

ところが、私が、以前、いろいろな資格を目指したりして購入した教材や、通信講座の学費のために組んだローンの支払いがかなりの額になってしまっており、妻にも言えてません。

それで、テレビでも宣伝している弁護士事務所の弁護士無料相談に行ってきました。

しかしながら、昔、使っていたキャッシングとかクレサラのことばかり聞かれました。

なんでも、すでに返し終わっていても、「過払い金」というのが発生するらしいのです。

ですが、私は、何度も言っているように、教材や通信講座のためにローンを組んだだけなのに、そんな話ばかりされて、少し、イラつきました。

それで、どうも、その弁護士事務所のスタッフの話によると、住宅ローンもあるし、私は警備員であるために、破産をするのなら、自宅は売却して、しかも、警備員の仕事をやめて別の仕事についてから、破産の準備をしましょうと言われました。

その弁護士事務所の中にあったパンフレットには、個人再生(民事再生)というのもあるらしいので、それについて話を聞きたいと言ったのですが、

「お客様の場合には少し、個人再生は難しいかもしれません」

とだけ言われて、何がどう難しいのかをよく説明してもらえませんでした。

警備員が問題なのでしょうか?

【ご回答】~弁護士(新潟市・新潟県)から~

借金完済と過払い金

借金を完済して、もう借金が残っていないというのに、その業者のことをとやかく詮索しようとするのは、過払い金がないかを確認したいからです。

完済後の過払い金の問題は、もはや、借金や債務の整理でもなんでもなく、単なる、財産的利益の獲得目的です。

そのため、その弁護士事務所も、

「返済し終わった借金にも過払い金は発生しますよ!」

「完済後でも過払い金を請求できますよ!」

などと言ってくるのです。

しかも、完済した借金の過払い金請求は過払い金が返ってくるか来ないか、というだけで、リスクが全くありません。

「完済した借金の過払い金を請求しないでおくのは、もったいない!」

と思って弁護士事務所もやっているのです。

そのため、

「時間が経過すれば、時効が成立しちゃいますよ」

「貸金業者が倒産するかもしれないですよ」

と一生懸命に言ってきます。

ただし、2010年に出資法や利息制限法の改正法が施行されて、利息制限法の上限金利よりも高い金利を貸金業者が請求できなくなったので、過払い金が発生するのはその前に借り入れた場合の話です。

また、もともと、ショッピングローン、住宅ローン、自動車ローン等は利息が低いので、過払い金になるということはありません。

過払い金請求できる貸金業者としても、銀行ではなく、

アコム、プロミス、アイフル等のいわゆる「サラ金」

クレディセゾン、ニコス、エポス等のカードキャッシング会社

です。

個人再生ができない場合  

別に、お仕事が警備員だから、個人再生ができないということはありません。

むしろ、警備員は資格制限がかかるので、自己破産ができず、個人再生を普通は勧めます。

(1)履行可能性がない

個人再生は自己破産と異なり、大幅な債務が圧縮がなされるものの、債務額がゼロにはなりません。

そのため、個人再生の中では、その方の返済資力が問題とされます。

ですので、毎月の収支がぎりぎり、つまり、収入と支出がほぼ等しくて余裕がない、という場合には、個人再生の再生計画を履行する可能性がないと判断されるおそれがあるのです。

(3)小規模個人再生の書面決議が通らない

個人再生は、2種類あって、

一つは「小規模個人再生」というもので、

もう一つは「給与所得者等再生」というものです。

通常は 、返済額が少なくて済むため、「小規模個人再生」が利用されます。

ですが、「小規模個人再生」の場合には、書面決議と言って、債権者の過半数がその個人再生に反対すると、当該個人再生は認可されないのです。

ただ、返済額は少し高くなるかもしれませんが、「給与所得者等再生」の場合には、債権者による書面決議はありません。

(3)清算価値が高い

個人再生の最低返済額は、その方の借金総額に応じて、その20%とかいう形で返済額が決まります。

ところが、清算価値保障と言って、その方が持っている財産の価格以上は最低返済しなければならない、というルールがあるのです。

したがって、あなたがもし、何か高価な資産を持っている場合には、個人再生をしても、返済額が安くならない可能性があります。

これは、例えば、住宅ローンがあるけれども、ほぼ終わりかけであって、もし、今、売却したら、ローンを返済しても相当な余剰がでる場合も含まれます。

そのため、個人再生をしてもあまり借金減額の効果が認められないという場合もあり得ます。

(4)個人再生が面倒・手間がかかる・難しい・よく知らない

これは、意外によくある話で、その事務所の弁護士ないしはスタッフが、個人再生が面倒・手間がかかる・難しい・よく知らない等の理由で、個人再生を受けたがらない場合があります。

それならそうとハッキリ言ってくれたほうがまだいいのですが、

「借金がゼロになるほうがあなたも楽になっていいですよ」

「個人再生は『あなたが』大変ですよ」

などと言って、無理に自己破産手続きに誘導するケースもあるのです。

たしかに、個人再生は自己破産と比べて、面倒・手間がかかる・難しいのは本当ですが、そんなのは、弁護士に任せてしまえば、あとは依頼者側は同じです。

~いかがでしたでしょうか。以上、弁護士(新潟市・新潟県)から、完済後の過払い金、個人再生できない場合(履行可能性、書面決議、清算価値)、個人再生を嫌がる弁護士についてご説明致しました。~

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