【ご相談内容】相続放棄申述書について
この度、母が亡くなり、母には借金があることが分かっているので、母の相続については相続放棄をしようと思います。
また、私には、妹がいるのですが、妹の相続放棄も私のほうでやってあげようと思います。、
相続放棄の手続きは難しそうで、私にもできるか不安ですが、 誰にも頼めるあてがありませんので、私が自分の分と妹の分と相続放棄の手続きを申し込もうと考えています。
そして、調べてみたところ、相続放棄をするには、「相続放棄申述書」という書類を提出すればよいみたいなのですが、「相続放棄申述書」とは、どのような書類なのでしょうか?
これは、相続放棄をする際に、どのような意味をなす書類なのでしょうか?
この相続放棄申述書には何をどのように書くのでしょうか?
【ご回答】~弁護士〔新潟市(新潟県)〕からのご説明~
相続放棄申述書とは
相続放棄申述書とは、相続放棄をする際に、管轄の家庭裁判所に提出する書類です。
「相続の放棄の申述」については、裁判所のホームページにその簡単な説明と書式が載っています。
【参考:裁判所ホームページ】
「相続の放棄の申述」について
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html
「相続放棄申述書」のダウンロード
http://www.courts.go.jp/vcms_lf/10m-souzokuhouki.pdf
「相続放棄申述書」の記入例
http://www.courts.go.jp/vcms_lf/7427souzokuhouki-seizin.pdf
申述書の各記載欄について
「申述人」欄について
本籍:戸籍謄本に記載されている本籍地を記載します。
住所:住民票上の住所とは限らず、裁判所が連絡できる現住所を記載します。
氏名:氏名は戸籍謄本に従い、略字等を使わずに正確に記載します。
生年月日:和暦で記載するようになっています。
職業:「会社員」、「自営業」等の記載で大丈夫です。
被相続人との関係(続柄):選択肢になければ、その他に記載します。
「法定代理人等」欄について
申述人が未成年者の場合、親権者が未成年者に代わって記入するので、親権者の情報を記載します。
「被相続人」欄について
本籍:戸籍謄本に記載されている本籍地を記載します。
最後の住所:死亡当時の生活拠点たる住所であって、病院ではありません。
死亡当時の職業:「会社員」、「自営業」等の記載で大丈夫です。無職なら、「無職」と記載します。
氏名:氏名は正確に記載します。
死亡日:死亡届の日ですが、こちらも戸籍(除籍)謄本とずれがないか確認してください。
「申述の趣旨」欄について
「相続の放棄をする」と記載します。
「申述の理由」欄について
相続の開始を知った日:被相続人の死亡の当日か死亡の通知を受けた日
放棄の理由:選択肢になければ、その他に記載します。
相続財産の概略:不動産、預貯金、有価証券等のほか、車でも、金でも、財産を書きます。
また、負債も記載します。
その他(必要書類・照会等)
以上が申述書の概要ですが、これに加えて提出すべき必要書類があります。
また、申述書を必要書類を出せば、一応は相続放棄の手続きをしたことになるのですが、事案・事情によって、さらに、裁判所から必要書類の提出を指示されたり、追加の事情聴取をされる場合があります。
【裁判所からの注意事項】
”実際に申述を受けた家庭裁判所では,判断するためにさらに書面で照会したり,直接裁判所から、事情をおたずねする場合があります。裁判所からの照会や呼出しには必ず応じるようにしてください。”
ただし、弁護士を代理人として立てている場合には、裁判所とのやりとりは、代理人を通して行います。