【ご相談内容】財産保持及び清算価値保障の原則による最低弁済額

借金が多くて、最近、支払いが本当にできていなくて、支払期日が怖くて怖くて仕方ありません。

妻にも言えてません。

借金のほとんどは飲食です。

会社につけられない接待交際費の部分が溜まりに溜まってきております。

同僚ないしは後輩との飲みもかなりの頻度であります。

最初は、3千円程度の居酒屋で終わるかなと思うと、次々と誘われて断れず、キャバクラ、そして、バーと行くところまで行ってしまいます。

一度行ってしまうと、途中で切り上げるということが本当にできません。

現金がないと、コンビニに駆け込んでお金をキャッシングしてしまいます。

最近はさすがに、なるべく回数を減らして、最初から飲み会に出ないようにする、

とか、

むやみに飲みに行こうと誘わない、

とか、

気を付けておるのですが、思わぬところで、出費が出てしまいます。

安く上げようとすればするほど、空回りしている気がします。

本当に、まずいです。

家や会社では普通の顔して生活しているのに、サラリーマン夫が、こんな借金を抱えているなんて、誰にも言えません。

これから、ダブルワークをすることも含めて、ここで一気に解決しようと考えております。

ただ、破産みたいに、家も車も売って、保険も全部解約して、なんていう激しい変化が伴う借金の整理は無理です。

妻が発狂してしまいます。

財産等はなにも手を付けないままでなんとか、借金を整理する方法がないかと考えております。

そればかりを考えておりますが、知識がないので一つよろしくお願いします。

個人再生でそれができないでしょうか?

【ご回答】~弁護士(新潟市・新潟県)から~

財産に手を付けず借金を整理する方法

1)個人再生における財産の取り扱い

個人再生においては、基本的には、今ある現状を維持しつつ、債務の負担額を減らして、その債務者の経済的更生(再生)を図るという目的がありますので、財産の処分は致しません。

この点が清算型の(自己)破産とは大きく異なる点です。

2)清算価値保障

「財産は持ったままで借金をなくすのだったら破産よりいいじゃないか!」

と思われるかもしれませんが、そうではありません。

自己破産をした場合には、借金(債務)はその全額が免責されるのが原則です。

他方で、個人再生の場合には、借金の減額はされるものの、全額は免責されません。

したがって、借金の総額に応じて、返済しなければならない額というものがあります。

さらに、返済しなければならない額(最低弁済額)というのは、持っている財産によっても変わってきます。
  
例えば、借金の総額から決められた最低返済額が200万円だったとしても、持っている車、家、生命保険、預貯金等の総額が400万円だっとすると、最低返済額は、400万円になります。

自己破産をする場合を考えてみてください。

自己破産する場合には、すべての財産を原則、破産管財人の処分に委ねなければなりません。

そうしますと、破産した場合には、持っている車や家は売却されてしまい、生命保険や預貯金は解約されるのが原則です。

ですので、破産した場合よりも個人再生の方が有利になる(得になる)ということはないのです。

3)まとめ

いずれにしても、財産等を手元に置いたまま債務の整理ができるというのは、外観上の変化が少なく、

(「あの人、家売ったんだー」とか、「車なくなったね」とか、言われないという意味)

そのあたりを気にされる方にとっては、自己破産と比べて、取り組みやすい手続きと言えます。

~いかがでしたでしょうか。以上、弁護士(新潟市・新潟県)から、個人再生における財産の取り扱いについて、清算価値保障の観点も含めて、ご説明いたしました。~

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