【ご相談内容】相続放棄検討のための調査について
新潟の湯沢の叔父が亡くなり、半年ほど前に私も葬儀に参列したのですが、知らない間に、私と妹が相続人になっていると聞かされました。
湯沢の叔父の家はかなり立派な御屋敷で、しかも、裏に山も2つもあるので、当然、叔父の一人息子が跡を継ぐものだと思っていました。
その一人息子、つまり、私のいとこですが、東京のとある大学の教授をやっており、もう、東京で結婚して、そちらにマンションも購入したからと、相続放棄をしたらしいのです。
叔父の弟が私(と妹)の父にあたるわけですが、父は、数年前にガンで亡くなってしまっているので、その結果として、私たちに相続権が回ってきたらしいのです。
1)たとえ、新潟(湯沢)に帰らないとしても、売ればいくらかのお金になるはずなのに、いとこはなぜ相続放棄をしたのでしょうか?
やはり、叔父に借金があるとみて、私たちも相続放棄をした方がいいのでしょうか?
2)叔父が亡くなってから約半年で、いとこが相続放棄をしたという話を地元で豆腐屋をやっている友人から聞いたのがつい先日という状況ですが、今からでも相続放棄はできるものなのでしょうか?
相続放棄をできる期間というのは3カ月らしいのですが、それはいつからなのでしょうか?
3)いとこが相続放棄をした本当の理由とか、叔父の財産の状況を調べてみたいのですが、相続放棄をできる3カ月というのは絶対なのでしょうか?つまり、期限の延長とかでできないのでしょうか?
【ご回答】~新潟市(新潟県)〕からのご説明~
いとこが相続放棄をした理由を知りたい
相続放棄をしたというのが、地元で豆腐屋を営んでいるご友人から聞いたということですが、そもそも、その相続放棄をしたということ自体は確かなのでしょうか?
ちょっとよく分かりませんが、なんで地元の友人がそんなことを知っているのでしょうか?
(相続放棄をした)そのいとこの方と(地元で豆腐屋を営んでいる )その友人の関係にもよりますが、もう一度よく確かめた方がいいと思います。
本当に相続放棄をしたということであれば、その理由については、まさに、いとこが分かっているでしょうから、まずは、いとこに、なんで相続放棄したのかと、直接、聞いた方がいいと思います。
もちろん、借金を相続するのが嫌で相続放棄する方もいらっしゃいますが、単に、面倒だから、と相続放棄する人もいます。
特に、田舎の不動産を持ってしまうと、売るに売れずに、ずっと固定資産税だけを支払う、という羽目に陥ることもありますので、そのあたりも、ズバリ聞いてみたらどうでしょうか?
相続放棄をすることができる3か月の起算点
相続放棄をすることができる3か月の起算点は、自分が相続人になったことを知った日です。
よく、被相続人が死亡してから3か月などと言われることもありますが、正確には、被相続人の配偶者とか子供の場合には、通常は、身近にいる場合が多いので、
被相続人が死んだ=自分が相続人になったことを知る、
という関係にあるので、亡くなった日からと言われるのです。
ですが、むしろ、夫婦や親子でも、長らく音信不通になっていたような場合には、実際に知った日が起算点です。
あなたの場合には、その豆腐屋の友人から、いとこが相続放棄をしたと聞いた日が起算点になります。
電話なのか、メールなのか、LINEなのか、はたまた、実際会って聞いたのか分かりませんが、その聞いた時になります。
メールやLINEであれば、履歴が残りますが、電話や会って話を聞いたということであれば、履歴は残りません。
ですが、そのまま、その日を起算日として考えて問題ありません。
相続放棄の期限の延長
相続放棄の期限である3か月以内では、亡くなった被相続人の財産とか借金の状況を明らかにできないという場合があります。
あなたの場合には、少なくとも、不動産がいくらで売却できるのか、保有した場合の税金については調べる必要があるでしょう。
その場合には、相続期限の延長を家庭裁判所に申し立てることができます。
相続放棄の期限を延長してもらう手続きをするには、亡くなられた被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てをします。
所定の申立に必要事項を記入して、必要書類を添付の上で、所定の収入印紙等を貼って、指定の郵便切手を添えて提出してください。
ただし、希望する期限だけの延長が認められるとは限りません。
場合によっては、書記官から連絡があって何の調査をするつもりなのか?
とか尋ねられるので、その場合には、見込みを答えてください。
それに応じて、希望する延長が認められる場合もありますし、それなら、そんなに長い期限は必要ないでしょう、と削られる場合もあります。
なぜか、裁判所は、一度の長い期間の相続放棄の期限延長を認めたがりません。
一度、短めに設定しておいて、
「それまでに調査が終わらなければ、また、改めて相続放棄の期限延長を申請すればいいじゃないですか。」
と言う書記官が多いです。