【ご相談内容】訴訟提起、判決、強制執行

新潟のとある学校の教職関係の仕事をしております。

職場ないしは仕事のストレスで、精神状態が普通ではなくなってしまっており、一時期、パチスロとネットショッピングにハマってしまいました。

当初は、賞与でなんとか、借金を奇麗に完済できると思っていたのですが、どうにも、うまく行かず、相当高額な借金を抱えたままになっております。

そのこと自体がさらにストレスを増加させ、借りて返すということを繰り返しながら、今度は、ゲーム課金を増やしてしまうという有様です。

とても、後悔しております。

今は、全部、やめていますが、支払いもストップした状態です。

1回、2回などの多少の滞納・遅れではなく、かなりの長期間、借金の支払いを無視してしまっていました。

電話の督促も相当ありました。

最初は、

「すぐに支払います」、

「月末には必ず支払います」、

「次の給与が出たら支払います」、

と受け答えをしておりました。

ですが、しょせん、その場しのぎの言い逃れで、現実には支払えていなかったので、段々、電話そのものに出なくなりました。

郵便もたくさん来ておりました。

それも、当初は、いちいち開いていましたが、だんだん頭が痛くなるので、最後の方は開封もしなくなりました。

内容証明郵便も来ていたようですが、差出人がカード会社だったので、それも督促状だと分かりました。

郵便局に再配達の依頼をする、ということはしておりません。

郵便局に取りに行く、ということもしておりません。

そもそも、家に居て郵便局がインターホンを鳴らしても出る、ということもしておりません。

ですが、借金の支払いを滞納して、かつ、督促から逃げ回っていたら、とうとう裁判を起こされてしまいました。

裁判所から裁判書類が届いてしまったのです。

郵便を受け取らなければいいのかと思っていたのですが、ポストに入っていました。

これは受け取ったことになるのですよね?

裁判に行かないとマズいでしょうか?

できれば 、教職関係の仕事上、破産は避けたいです。

たしか、私のように、パチスロやショッピング・ゲームでできた借金は破産できないと聞いたことがあります。

個人再生であれば大丈夫だったりしますでしょうか?

それと今、起こされている裁判はどうなりますでしょうか?

心を入れ替えて生活するつもりは本当にありますので、どうか、なんとかなりませんでしょうか。

【ご回答】~弁護士(新潟市・新潟県)から~

借金の滞納で裁判を起こされたらどうなるか?

かなり、放置してしまったようですね。

カード会社としても、 裁判を起こす前に、電話督促、郵便督促、内容証明、と段階を追って債権回収をやっております。

いきなり、裁判を起こすという事はありません。

費用もかかるので、カード会社も裁判は最後にすることとなっています。

あなたの借金の滞納問題を放置するわけにもいかず、処理するために裁判を起こさざるを得なかったのです。

一旦、裁判をおこされてしまった以上は、その結果は見えております。

必ず、敗訴します。

借りているのが間違いないですから。

敗訴するということは、裁判所から支払いの命令が出ます。

そして、その命令通りに支払わないでいると、どうなるかというと、カード会社等の債権者は、強制執行に進む可能性があります。

強制執行というのは、あなたの財産を差し押さえることです。

不動産や銀行預金のほかに、あなたが勤務している先に、給与の差し押さえがなされる場合もあります。

なお、貴金属やバッグ、靴等の理屈上は、動産執行と言って、差し押さえることも可能ですが、この動産執行は、費用もかかることもあり、あまり行われることはありません。

また、生命保険の解約返戻金などは、債権者にとっては、かなり確実な差し押さえ対象なのですが、債権者の側でどこの生命保険に入っているかを調べるのは難しいので、これもあまり行われません。

当然と言えば当然ですが、予告したら、銀行預金を引き下ろされたりしますので、給与の差し押さえや銀行預金の差し押さえは、ある日突然、予告なしに行われます。

給与の差し押さえがなされた場合には、まず間違いなく、会社ないしは勤務先から、

「どういうことなのか、説明して下さい」

と言われます。

そして、給与の差し押さえの場合には、一回給料を差し押さえられたら、その会社を辞めるまで、差し押さえが続きます。

賞与も対象です。

会社ないしは勤務先から、

「もう、面倒だから何とかしてくれないか」

と言われる可能性もあります。

つまり、会社ないし勤務先に居ずらくなります。

ただし、勘違いされている方がたまにいらっしゃいますが、会社ないし勤務先に給与の差し押さえが入ったからと言って、それを理由に解雇される(首にされる)ことはありません。

そもそも、そのような解雇事由を就業規則に定めている会社ないし勤務先がないと思いますし、

あったとしても、それは、合理的な理由がないとして、無効になる可能性が高いと思います。

ギャンブル・浪費と(自己)破産及び個人再生の選択

自己破産で免責が認められるためには、免責不許可事由がないこと、という要件が定められています。

つまり、免責不許可事由があった場合には、自己破産による免責(借金の支払い義務を免除すること)が認められないのが原則です。

そして、ギャンブル・浪費は免責不許可事由です。

ですので、原則としては、自己破産による免責は認められないことになりますが、裁量免責といって、免責不許可事由があったとしても、裁判所の裁量で、免責を認めることができます。

そのため、反省文を書いて、反省の態度を示すとか、ギャンブルないしは浪費で使ってしまった金額のうち、いくらかを積み立てて、反省の意を表すとか、することにより、免責が認められることがあります。
 
他方、個人再生の場合には、そもそも、その要件として、免責不許可事由がないこと、というのがありません。

ですので、借金がギャンブルに基づくものであろうが、浪費に基づくものであろうが、そのこと自体が問題になりません。

実際、ギャンブルで借金をこしらええてしまって、自己破産では少なくとも、そのことが問題になりそうだから、と個人再生を選択する人もいます。

~いかがでしたでしょうか。以上、弁護士(新潟市・新潟県)から、借金を滞納し続けて裁判を起こされた場合にはその後どうなるか?及び、ギャンブル・浪費と(自己)破産及び個人再生の選択の問題について、ご説明いたしました。~

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