【ご相談内容】最低限度の生活の維持に必要な一年分の費用の額
新潟市内で美容室に勤めている者で、前回、前々回に引き続きご相談です。
個人再生のうち、給与所得者等再生をしようと考えているということで、その際に、
「同じ新潟県でも新潟市と長岡市では違うというのでしょうか?」
と言ってしまったから誤解されてしまいましたが、私は新発田市に居住しております。
年齢も「あなたが、二十歳以上四十歳未満なら」
とされておりましたが、私は45歳です。
何度もお手数かけますが、よろしくお願いします。
年収は325万円です。
【ご回答】~弁護士(新潟市・新潟県)から~
最低限度の生活の維持に必要な一年分の費用の額(新潟県新発田市)
それでは、
【新潟県新発田市在住で45歳で一人暮らし】
を前提にご説明します。
まずは、法律(民事再生法)・政令の内容について簡単にご説明します。
給与所得者等再生の場合には、返済計画(再生計画計画)の内容が、
再生計画案の提出前二年間の再生債務者の収入の合計額からこれに対する所得税等に相当する額を控除した額
を二で除した額
から、
再生債務者及びその扶養を受けるべき者の最低限度の生活を維持するために必要な一年分の費用の額
を控除した額
に二を乗じた額以上の額
でないといけないと定められております。
そして、
「再生債務者及びその扶養を受けるべき者の最低限度の生活を維持するために必要な一年分の費用の額」
は、
再生債務者及びその扶養を受けるべき者の年齢及び居住地域、
当該扶養を受けるべき者の数、
物価の状況その他一切の事情、
を勘案して政令で定める。
とされております。
さらに、
「再生債務者及びその扶養を受けるべき者の最低限度の生活を維持するために必要な一年分の費用の額」
は、
一 個人別生活費の額
二 世帯別生活費の額
三 冬季特別生活費の額
四 住居費の額
五 勤労必要経費の額
の合計額である、と定められております。
個人別生活費
個人別生活費は、再生債務者又は被扶養者の年齢と居住地域により区分が設けられております。
居住地域は、全部で6つの区分に分かれており、
例えば、
「新潟県のうち新潟市」は第三区
とされておりますが、
「新潟県のうち長岡市」は第四区
とされており、
「新潟県のうち三条市、柏崎市、新発田市、新津市、小千谷市、加茂市、十日町市、見附市、村上市、燕市、栃尾市、糸魚川市、新井市、五泉市、両津市、白根市、豊栄市、上越市、中蒲原郡亀田町、北魚沼郡小出町、南魚沼郡湯沢町、刈羽郡刈羽村、中頸城郡大潟町、同郡妙高高原町、同郡中郷村及び西頸城郡青海町」は第五区
とされており、
「新潟県のうち上記以外」は第六区
とされております。
そして、あなたは、
「新潟県のうち新発田市」
なので、第五区となります。
「第五区における個人別生活費の表」
というのがあり、
それによると、あなたは、
「四十一歳以上五十九歳未満」
なので、結局、
個人別生活費は、三十九万二千円(39万2000円)
となります。
世帯別生活費
「第五区における世帯別生活費の表」
というのがあり、それによると、
あなたは「一人」なので、四十三万二千円(43万2000円)
となります。
冬季特別生活費の額
冬季特別生活費については、まず、第何級の地域であるかが問題となるのですが、新潟県は、
「第二級地 岩手県 山形県 新潟県」
とされております。
そして、新潟県新発田市なので、
「第五区における冬季特別生活費の表」
に従います。
「一人 第二級地」なので、七万二千円(7万2000円)
となります。
住居費
これについては、住居費の表というのがあり、
「新潟県(新潟市を除く。) 第五区及び第六区 一人」なので、三十三万二千円(33万2000円)
勤労必要経費
勤労必要経費については、例えば、第三区の新潟とか、第四区の長岡の場合には、収入による区分があって、
「二百万円未満」の場合
と
「二百万円以上」の場合
とで勤労必要経費は、変わります。
しかし、「第五区及び第六区」は、そのような収入区分はなく、
四十五万五千円(45万5000円)
とされております。
まとめ(新潟県新発田市の生活費)
以上の通りですのでまとめますと、
一 個人別生活費の額 三十九万二千円(39万2000円)
二 世帯別生活費の額 四十三万二千円(43万2000円)
三 冬季特別生活費の額 七万二千円(7万2000円)
四 住居費の額 三十三万二千円(33万2000円)
五 勤労必要経費の額 四十五万五千円(45万5000円)
合計 168万3000円
前回、新潟市に居住していると勘違いして出した額が193万8000円でしたので、
25万5000円
の差があります。
実際に、新潟市と新発田市とで、これぐらい生活費は変わってくるものなのでしょうか?
~いかがでしたでしょうか。以上、弁護士(新潟市・新潟県)から、給与所得者等再生における可処分所得の計算~最低限度の生活の維持に必要な一年分の費用の額(新潟県新発田市)について、ご説明致しました。~