【ご相談内容】健康保険や年金の滞納の対処と換金行為

新潟県胎内市に居住していますが、職場は新発田です。

以前は、胎内市内の工場に勤めたり、リゾート施設で働いたり、一時期、農業もやりましたが、どれも長続きしませんでした。

今は、新発田で食品関連の会社で配送を行っています。

結局、仕事を辞めて、職を転々とするうちに、生活費もないので、クレジットカードのキャッシングや、消費者金融、果ては、ブランド品を買って、即、買取に出す転売というか換金もするようになってしまいました。

さらには、これまで、どこの会社も、どこの職場も、正社員になったことはなく、保険も国民健康保険で、年金も厚生年金に加入したことはなく国民年金です。

ですが、「国民健康保険」、「国民年金」です、などと言っておきながらなんですが、納められておりません。

要するに、「国民健康保険」も「国民年金」も滞納中です。

督促状、呼出状などが何度も送られてきたり、電話がかかってきたりしています。

「一度、来て生活状況を説明してください」

と言われてもいるのですが、どうせ、言っても支払いができていないことを責められるだけだと思うので、行っていません

もう、手紙(はがき)の封も開けないし、電話も出なくなりました。

ですが、かなりの頻度で連絡は来ています。

他方、もちろん、というのもおかしいですが、キャッシングやサラ金の支払いもかなり遅れているのですが、むしろ、こちらは、手紙が送られてくるだけで、電話はかかってきません。

感想としては、健康保険が一番、督促がきついです。

こんな感じで、煮詰まってきてしまいましたので、思い切って、もう破産するしかないと思い、裁判所に行ったら、裁判所は個別の相談は受け付けていないとい法テラスを案内されました。

法テラスに連絡したら、すぐには面談の予約が入らないと言われ、普通に、ネットで探して、新潟市内の司法書士事務所にいきました。

ですが、何か、大変、冷たい感じの人で、

「『国民健康保険』の滞納も『国民年金』の滞納も自己破産しても免除されません。」

「そもそも『換金行為』をしているのに自己破産なんかできません。」

弁護士事務所に行って、民事再生を相談されたらいかがですか?

と言われてしまいました。

正直、落ち込んでいます。

民事再生すれば、借金も、「国民健康保険」の滞納も、「国民年金」の滞納も、「換金行為」もなんとかなりますか?

【ご回答】~弁護士(新潟市・新潟県)から~

「国民健康保険」の滞納と民事再生(個人再生)

国民健康保険の徴収が厳しいというのはよく聞く話です。

高齢者の医療費が保険料収入を上回ると保険事業は赤字・破綻です。

ですので、各自治体も徴収に必死なのです。

それを放っておくと、今は、病院等の医療機関にかかっていないからあまり感じないのかもしれないですが、そのうち、保険証の有効期間が短くされます。

さらには、その短い有効期間の保険証さえもらえなくなって、最後は、病院に行っても10割負担です。

このまま国民健康保険の保険料を納め続けないのがいいのか?
  
それとも、病院に行って10割負担を覚悟した方がいいのか?

どっちがいいのかという問題でもなく、納めないと、そのうち、差し押さえがなされます。

差し押さえる財産が見つかっていないから、差し押さえがかけられていないだけで、そのうち勤務先が見つかり、給与差し押さえがあるでしょう。

ですが、残念ですが、民事再生(個人再生)をしたとしても、民事再生(個人再生)によって、滞納分が減免されるわけではないのです。

自己破産も駄目、個人再生も駄目、ということですが、現実には、自己破産・個人再生をしているということは、 ある意味、 行政側に対する、お金がないことの最も説得的な証明になります。

個人再生・自己破産をせざるを得ないような経済状況であることを告げて、分割払いや免除のお願いをしてみてください。

「国民年金」の滞納と民事再生(個人再生)

年金が将来貰えないんじゃない?と思っている方も多いようで、納付しない人の割合もかなりいるようですが、現実問題として、納付が義務になっています。

ですので、何もしないで放置していると、そのうちに督促がきつくなり、やはり、こちらも差し押さえがなされるリスクがあります。

国民年金は、将来年金がもらえると信じて、しかも、是非、国の年金制度に加入したいという人だけが、お金を支払う仕組みにすればよいと思うのですが、現実はそうなっておりません。

しかも、残念ですが、民事再生(個人再生)をしたとしても、民事再生(個人再生)によって、滞納分が減免されるわけではないのです。

しかし、国民年金の場合には、免除・猶予の制度が認められています。

詳細に把握されたい場合には、日本年金機構のホームページを参照したり、各役所の年金課に尋ねてみてください。ポイントは年収が一定基準以下であることです。

(1)保険料免除制度

国民年金の保険料免除制度とは、所得が少なく本人・世帯主・配偶者の前年所得が一定額以下の場合や失業した場合など、国民年金保険料を納めることが経済的に困難な場合に、本人からの申請により、保険料の納付を免除する制度をいいます。

免除される額は、全額、4分の3、半額、4分の1の4種類があります。

(2)保険料納付猶予制度

国民年金の保険料猶予制度とは、20歳から50歳未満で、本人・配偶者の前年所得が一定額以下の場合に、本人からの申請により、保険料の納付が猶予される制度をいいます。

猶予が承認される期間は1年間で、毎年、申請が必要です。

換金行為(ブランド品を買って、即、買取に出す転売)と個人再生

たしかに、その司法書士が言うように、換金行為は、自己破産手続きにおける免責不許可事由に該当します。

「免責不許可事由」というのは、借金の支払いを免除することを許可することができない理由です。

要するに、自己破産をしたとしても、借金はチャラにならない、やるだけ無駄でした、となるということです。

そのチャラにならない理由としては、浪費、ギャンブル、裁判所に隠し事したり、嘘をいう等がありますが、換金行為も該当するのです。

別に、ブランド品を買ったから浪費にあたるというわけではないのです。

ブランド品を買って、即、現金化してしまったから、

信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと

に該当するのです。

難しい言い方というか、表現ですが、

信用取引により商品を買い入れて」というのは、信用で商品を買うことなので、まさにクレジットカードでの商品購入が該当します。

これを著しく不利益な条件で処分」というのは、クレジットカードで買った商品を、安値で売ることです。

おそらく、買った商品を買った商品と同じ値段で売ることは難しいと思いますので、大概は、たたき売りまでは行かなくても、安値で販売することになります。

そうしますと、

不利益な条件で処分

に該当することになり、これが換金行為となるのです。

ですので、転売して、儲けをだすような高値での売買であれば換金行為にはなりません。

現実には難しいと思いますが。

他方、個人再生においては、そもそも、免責不許可事由というものがありません。

借金を抱えた理由は、浪費でもギャンブルでも

「換金行為」

でも、それを理由に個人再生手続が認められないという事はありません。

借金(負債・債務)の額に応じて、大幅な債務の免除(債権カット)が認められることになります。

ただ、自己破産と異なり、完全に借金の支払い義務がなくなるということはありません。

~いかがでしたでしょうか。以上、弁護士(新潟市・新潟県)から、「国民健康保険」、「国民年金」の滞納と民事再生(個人再生)及び換金行為と個人再生について、ご説明致しました。~

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